書類作成

2017年11月14日更新

安全書類(グリーンファイル)に欠かせない作業員名簿とは?全項目の書き方を日本一わかりやすく解説!

現場に自社の作業員を送り込むのに必要になるのが作業員名簿です。新しい現場に入る際には必ず求められるため、つくる機会が多い安全書類(グリーンファイル)の一つといえるでしょう。

「上司に作業員名簿を作ってほしいと言われたがやり方が分からない、、」「周囲に聞ける人がいない」という方のために1つ1つの項目をていねいに解説していきます!

ここでは最も代表的かつ広く使用されている「全建統一様式 第5号・第5号 別紙」を定型として解説していきますが、項目は他の書式であってもほとんど変わらないため、その他安全書類の書式の作業員名簿を作成する方も問題なく参照していただけます。

作業員名簿とは?

作業員名簿とは安全書類の中の労務安全のための書類で、入退場が多い建設現場においては「どんな人がいつ現場に入っているのか」を把握するために作成する書類です。

作業員名簿の作成は法的な規定で義務付けられているわけではありませんが、安全衛生管理および労災が発生したときの緊急連絡や対応などのために必須の書類となっています。

作業員名簿を作成した後は?

作業員を雇用する全ての会社が会社ごとに作成し、一次の会社がそれらをまとめて元請の会社へ提出します。

また作成を委任する意思確認を書面等でとったうえで、自社より下位の会社の作業員名簿を代理で作成するケースもあります。作成する際は自社のものを作成するのか、自社の下請会社のものを作成するのかをまず確認しましょう。また下請会社のものを作成する場合は捺印が必要なため、その進め方も決めておきましょう。

作業員名簿(全建統一様式 第5号および別紙)の項目と書き方

ここでは全国建設業協会が発行している「全建統一様式 記載例及び解説」に沿って説明しています。基本的には下記の書き方で問題ありませんが、元請の会社等から別途指示があった場合はそちらに従ってください。

欄外部分の項目と書き方

事業所の名称

「事業所」というとピンとこないかもしれませんが、「工事を実施する作業所」もしくは「工事名称」を記入します。

  • ◯◯作業所
  • ◯◯新築工事
  • ◯◯ビル改修工事

のように表記するのが一般的です。

所長名

「所長名」=”元請”の現場代理人を指します。一次の会社ではなく、元請の会社の現場管理人を記入する必要があるため注意が必要です。

作成日

この作業員名簿を作成した日付を記入しましょう。

一次会社名

作業員名簿を提出する一次請けの会社名を記入します。また会社名の代わりに一次の会社の現場代理人の名前を記入することもできます。

自社会社名

自社名の横にある自社が何次請けかを記入する欄を忘れやすいので注意が必要です。こちらも会社名の代わりに自社の現場代理人の名前を記入しても構いません。

提出日

提出日が確定している場合はその日付を、確定していない場合は空欄にしておいて提出時に手書きもしくは追記します。

欄内部分の項目と書き方

氏名・ふりがな

氏名の表記が間違っていると現場入場時に身分証明書との照合ができず、最悪の場合、現場に入場できないなんて事態にもなりかねません。免許証や資格証明書の写しを確認しながら正確な表記で記入しましょう。

また作業員名簿の提出後に同一現場に新たに入場する作業員がいる場合は、新しく作業員名簿を作成するのではなく、一度作成したものの下に追加で記入していきましょう。

職種

該当の職種を記入します。職種は数が多く、表現も会社によって微妙に違ったりしますが、「型枠大工」「オペレーター」「電気工事工」「とび工」など「その作業員が該当工事においてどんな役割を担うのか」が分かれば大丈夫です。

※(特記事項)

ぱっと見で最も分かりづらいのがこの項目ですが、よくみると紙面の下部にこのような解説がついています。こちらを参照しながら該当するものを記入しましょう。

雇入年月日

該当する作業員を会社が雇用開始した年月日を記入します。

経験年数

作業員が自社に所属している年数ではなく、担当している仕事の経験年数を記入します。該当する作業員にブランクがあったり、数社を経ている場合は間違えやすいので注意が必要です。

生年月日

和暦でも西暦でも構いません。

年齢

18歳以上であれば記入して終わりですが、18歳未満の作業員を入場させる場合は元請に「年齢証明書(住民票記載事項証明書など)を見せる必要があるので注意が必要です。また労働基準法により、18歳未満の時間外労働および危険有害業務への就労は禁止されています。

また15歳未満に関しては15歳に達した日からその年の3月31日までは土木、建築、その他の工事およびその準備に関わる業務に従事することができません。

現住所と電話番号

引越し等によって住所が変わっていることがあるため、よく確認のうえ記入しましょう。

家族連絡先と電話番号

ここに記入した連絡先が該当する作業員に労災等が発生した場合の緊急連絡先となります。両親もしくは配偶者などの近親者の連絡先を書くのが一般的です。

最近の健康診断日

労働安全衛生法により、雇入れ時および年に1回の健康診断の実施が義務付けられています。この年月日は最新のものを記入する必要があるので、古いものののままになっていないか確認し、随時更新しましょう。

また健康情報については「個人情報保護法」により個人情報となるので、慎重かつ適正に取り扱う必要があります。

血圧

血圧を最低・最高の両方で記入します。こちらも個人情報となるので取扱には注意してください。

血液型

上記同様、個人情報となるので取扱には注意してください。

特殊健康診断日と種類

有害業務従事者は半年に1回特殊健康診断を受けることが義務付けられています。該当しない場合は空欄で構いません。

なお特殊健康診断の種類には下記のようなものがあります。

じん肺
有機溶剤

電離放射線
特定化学物質
高気圧業務
四アルキル鉛
石綿

雇入・職長・特別教育

全ての作業員は雇入時に教育を受けているはずなので、まずは「雇入時教育」を全作業員分記入します。その後、「職長教育」を受けた作業員であればその旨を、最後に「フォークリフト」など受講した特別教育を下部に追記していきます。

ちなみに「特別教育」とは法令に沿ったカリキュラムで各企業が実施する講習のことで、出来る業務の難易度や範囲が特別教育→技能講習→免許の順に大きくなっていきます。

技能講習

技能講習とは各都道府県の労働局に登録されている教育機関で受けた講習のことを指します。特別教育と混乱が生じやすいので注意が必要です。

該当するものがない場合は「なし」と記入しましょう。

免許

免許とは試験を受けて合格したものを指します。そのため特別教育や技能講習のようなセミナー受講形式のものは含まれません。

また「特別教育」「技能講習」「免許」と3段階ある業務の場合は上位の業務の資格を持っていれば、下位の業務を実施することが可能です。たとえば免許を持っていれば特別教育と技能講習で定められた業務は実施することができます。

入場年月日

新規入場者教育を実施した際に記入します。記入時点で不明な場合が多いため、印刷後に手書きもしくは追記で対応できます。

受入教育実施年月日

入場年月日と同じ日付になるはずなので、上記で書いた日付を記入します。

社会保険加入状況(別紙)の書き方

社会保険の加入状況は別紙のものもあれば一枚にまとまっている作業員名簿もありますが、記入内容には相違はほとんどありません。また欄外に関しては作業員名簿と同じ内容を記入すればOKです。

また被保険者番号等はかなり機密度の高い個人情報となるので、必ず本人の同意を得たうえで作成するようにしましょう。

氏名・ふりがな

作業員名簿と同じ表記・順序になるように記入しましょう。

健康保険

上段に加入している健康保険の種類を下記から選んで記入してください。

  • 健康保険組合
  • 協会けんぽ
  • 建設国保
  • 国民健康保険
  • 適用除外  (※後期高齢者の場合)

下段に保険証に書かれている番号の下4ケタを記入します。該当番号が4ケタ以下の場合は全ての番号を記入しましょう。

年金保険

年金保険も下記から当てはまる種類を上段に記入します。年金保険は番号を記入する必要はありませんので、下段は空欄で構いません。

  • 厚生年金(会社として社会保険に加入してる場合)
  • 国民年金(個人で社会保険に加入している場合)
  • 受給者(65歳以上など既に年金を受け取っている場合)

雇用保険

雇用保険の上段は下記3つのいずれかになります。

  • 空白(通常の作業員の場合)
  • 日雇保険(日雇労働被保険者の場合)
  • 適用除外(事業主やその親族)

下段には健康保険と同様に保険番号の下4桁を記載します。たとえば1-2345467890-1の場合「890-1」と記入しましょう。

さいごに

証明書類の添付に注意!

作業員名簿の提出時には記載されている資格や免許のコピーの添付が必須です。直前で集めると大変なことも多いので、事前にコピーをとってデータ化し、いつでも使えるようにしておきましょう。

現時点で分からない項目がある場合は?

現場入場年月日はもちろん、その他の項目においても分からない項目がある場合は、まずは空欄で作成して後から手書きで記入するやり方が一般的です。

施主に見せる場合など手書きだと見栄えがよくない場合は、まずは分かる項目から作成し、判明した段階で追記していくようにしましょう。