書類作成

2017年12月18日更新

初心者必見!「(移動式クレーン・車両系建設機械等)使用届」の作成ガイド

建設現場では重機やクレーン車などさまざまな機械が使用されます。大きな機械なだけに、誤った取り扱いをしてしまうと人命に関わるような事故が起きる可能性は充分にあります。安全書類(グリーンファイル)の一つ(移動式クレーン・車両系建設機等)使用届は、しっかりとした点検・注意事項・管理の役目を果たすために存在します。

ここでは最も代表的かつ広く使用されている「全建統一様式第9号」を定型として解説していきます。しかし項目は他の書式であってもほとんど変わらないため、その他安全書類の書式の持込機械(移動式クレーン・車両系建設機械等)使用届を作成する方も問題なく参照することができます。

(移動式クレーン・車両系建設機等)使用届とは?

持込機械(移動式クレーン・車両系建設機等)使用届とは、作業に必要とする機械の安全性を管理するための書類です。記入項目は、大きく分けて持込機械の概要記入部分と点検表の二つに分かれています。
記入する際は以下のようにまず、該当する機械が「移動式クレーン」「車両系建設機械」のどちらかを◯で選択した上で、違う方を二重線で抹消しましょう。

(移動式クレーン・車両系建設機等)使用届を作成した後は?

該当する車両を持ち込む会社の代表者が現場の所長に届出をし、車両を持ち込むごとに使用届を提出します。

所長は元請に提出後、「持込機械届済証(持込許可証・持込機械受理証など)」を申請した機械の台数枚受け取ります。これを使用する車両の見やすい部分に貼付しましょう。元請けによっては受付番号のみで、ステッカーを発行してくれない場合もあるのでその場合は自分で用意しましょう。

①機種
該当車両の機種を記入します。

②持込会社名
該当する機械を所有する会社名を記入します。個人所有の機械であっても、所属会社名を記載しましょう。

③運転者
該当する車両を運転する運転者の名前と必要な免許・資格を記入します。二人以上いる場合は、代表者の名前の右側に(正)それ以外の運転者には(副)と記入しましょう。

④使用会社名
該当する車両を使用する会社名を記入します。持込会社と同じ会社でも問題ありません。

⑤受付年月日
該当する機械の「持込機械届済証」が発行された年月日を記入します。

⑥受付No.
受付済みの持込機械等使用届には、元請から機械ごとに受付番号が記入されています。これを参考にして、該当する機械の受付番号を記入しましょう。

⑦使用期間
該当する機械の使用期間を「H◯年◯月◯日まで」という形式で記入します。

⑧事業所名
事業所(作業所)の名前を記入します。

(移動式クレーン・車両系建設機等)使用届の項目と書き方

欄外部分の項目と書き方

事業所の名称

「事業所」というとピンとこないかもしれませんが、「工事を実施する作業所」もしくは「工事名称」を記入します。

  • ◯◯作業所
  • ◯◯新築工事
  • ◯◯ビル改修工事

のように表記するのが一般的です。

所長名

「所長名」=”元請”の現場代理人を指します。一次の会社ではなく、元請の会社の現場管理人を記入する必要があるため注意が必要です。

一次会社名

一次請負業者の会社名を記入します。

持込会社名

自社名(機械を持ち込む会社名)を記入します。横にある自社が何次請けかを記入する欄を忘れやすいので注意が必要です。

代表者名

持込会社の代表者を記入します。現場代理人でもかまいません。

電話

持込会社の電話番号を記入します。

日付記入部分

この書類の作成日を記入します。年は西暦でも問題ありませんが、和暦での記入が一般的です。

欄内部分の項目と書き方

使用会社名・代表者名

該当する機車両を使用する会社名とその代表者名を記入します。

機械

該当する車両についての概要を記入します。

①名称
持ち込む車両名を記入します。ここでいう「機械名」とは、使用する機械の商品名ではなく分類名を指します。もし、「名称が分からない!」といった場合には裏面の『持込時の点検表』の欄外右上に記載されている「機械名」を参考にしましょう!

②メーカー
該当する機車両のメーカーを記入します。

③規格・性能
該当する車両の規格・性能を記入します。基本的には車両の重さ(トン)ですが、機械によってその他に特記すべき内容があれば記入しましょう。たとえ同じ機械名でも、大きさや性能というのは機械ごとに違ってくるのでそこを意識するとよいです。

④製造年
該当する車両の製造年を記入します。

⑤管理番号(整理番号)
持込会社の管理番号を記入します。

持込年月日

該当する車両を現場に持ち込む日付を記入します。

搬出予定年月日

該当する車両を現場から搬出する日付を記入します。

使用場所

該当する車両を使用する場所を記入します。住所ではなく、どのような現場であるかを記入しましょう。
【記入例:土止めくい打ち現場】

運転者(取扱者)

該当する車両を運転する運転者の名前と必要な免許・資格を記入します。二人以上いる場合は、代表者の名前の右側に(正)それ以外の運転者には(副)と記入しましょう。

自主検査有効期限

①定期(移動式クレーンの場合)
定期自主検査の年次・月次の有効期限を記入しましょう。
工事期間中に有効期限が切れないことを証明する必要があるためです。
定期自主検査とは、建設機械・荷役運搬機械・高所作業車に関して定期的に自主的にしなければならない検査のことです。労働安全衛生法により義務づけられています。

②特定(車両系建設機械の場合)
特定自主検査の有効期限を記入しましょう。
特定自主検査とは、定期自主検査をしなければならない車両のうち以下のものに関して一定の資格を持つ検査者から受ける必要がある検査です。

車両系建設機械・フォークリフト・不整地運搬車・高所作業車・動力プレス

移動式クレーン等の性能検査有効期限

該当する車両が移動式クレーンの場合は、その性能検査の有効期限を記入します。
吊り上げ荷重が3トン以上の移動式クレーンは原則として2年に1度性能検査を受ける必要があり、工事中に有効期限が切れていないかしっかり確認しましょう。

自動車検査証有効期限

該当する車両の車検の有効期限を記入します。

任意保険

(移動式クレーンの場合のみ)任意保険についての情報を記入します。
任意保険とは自賠責保険ではカバーしきれない損害を補償する保険のことです。この証明書のコピーは提出する際に必ず添付しなければならないので注意しましょう。直前で集めると大変なことも多いので、事前にコピーをとってデータ化し、いつでも使えるようにしておくといいですね!

①対人
対人賠償保険の限度額を記入します。

②対物
対物賠償保険の限度額を記入します。

③搭乗者
搭乗者傷害保険の限度額を記入します。

④その他
車両保険などのその他の保険を記入します。

⑤有効期限
任意保険の有効期限を記入します。

接触防止措置等

該当する車両が接触事故を起こさないための防止措置を記入します。
【記入例:セーフティーセンサーを作動させる】

機械等の特性・その他その使用上注意すべき事項

該当する車両の貸与会社が、安全作業場注意すべき事項を記入します。使用する会社は記入する必要はありません。

元請確認欄

元請けが記入する欄なので、空欄にして提出しましょう。

受付番号

ここでは元請けから受付番号が発行されるため、空欄にして提出しましょう。

受付確認者

提出後に元請から発行された受付番号を確認し、サインもしくは印鑑を記入します。

持込時の点検表の書き方

ここでは該当する機械の点検をします。自社の点検表を使用する際は、その点検表を添付しましょう。

所有会社名・代表者名

該当する車両の所有会社名と代表者名を記入しましょう。代表者は所有会社の出庫責任者でも問題ありません。

点検結果

点検結果の欄には、(a)(b)と2つの欄がありますが、それぞれ点検者が異なるため注意しましょう。

(a)所有会社
(b)持込会社または機械使用会社または元請

それぞれ点検後は下部の点検者の欄に、点検年月日・点検者氏名・印鑑を記入しましょう。

点検事項

該当する機械を点検する際の必要事項があらかじめここで記入されています。
点検者はこれを参考に、該当する機械の項目を点検します。何も問題がなければ該当箇所にチェックマーク(✓)をしていきましょう。
※該当箇所へのチェックマークは元請によって○や×など様々な指定があるので注意しましょう。

機械によって点検内容は異なるので、以下のそれぞれの機械に必要な点検項目を参考にしましょう。

Aクレーン部(上部旋回体):機械名(1)〜(6)
B車両部(下部走行体):機械名(1)〜(6)・(43)〜(47)・(48)
Cゴンドラ:機械名(7)
D安全装置:機械名(8)〜(42)
E作業装置:機械名(8)〜(42)
F走行部:機械名(8)〜(42)
G電気装置:機械名(8)〜(42)
Hその他:点検項目に記載はされていないが、点検すべき箇所がある場合
※機械名は点検表の右端に記載されています。

さいごに

添付資料に注意!

この書類には必ず以下の書類を添付しましょう。

特定自主検査帳票のコピー
定期自主検査帳票のコピー(該当する場合のみ)
任意保険の証明書のコピー(移動式クレーンの場合のみ)

忘れてしまうと元請が受理してもらえず、様々なトラブルが併発してしまうことも。特に添付書類は忘れてしまいがちなのでしっかり確認することが大事です。