
お話を聞いた方
株式会社IHIプラント
八代バイオマス発電所建設工事 現場代理人 前川 一史様
ホームページ:https://www.ipc-ihi.co.jp
この記事の公開日:2023年5月30日
押印が負担で、必要書類が提出されない
Q:導入前の課題を教えてください。
紙で安全書類を管理していた頃の問題は押印によって必要書類が出てこなくなることでした。
提出された安全書類に不備があれば協力会社さんに再提出を依頼します。例えば再下請負通知書であれば、再提出のたびに代表者印が必要となります。そのため差し戻しと再提出が2往復を超えると書類が出てこなくなる傾向がありました。おそらく同じ書類に何度も代表者印をもらうのは抵抗があるのだと思います。
不備の確認にも膨大な時間と手間がかかっていました。たとえば主任技術者名確認の際には主任技術者の経歴書と提出された書類を1枚ずつ目視で照らし合わせる必要がありました。しかも、ひと現場あたりの安全書類はキングファイルで20冊もありますので、すべて確認するには膨大な時間がかかっていました。
Q:建設業界全体にも課題を感じられているんですよね。
発注と着工のタイミングが近く、着工までに安全書類の回収が間に合わないことです。
着工までの数日間ではすべての書類を揃えることは困難で、着工後に集めていくしかありません。業界全体の特性として仕方がないところですが、コンプライアンス面で不安があり会社として対応が必要だと感じていました。一方で、時間的な制約もあり根本的な解決が難しく、着工前にどの書類を優先的に揃えるかは各現場によって属人化していました。
1次請として活用したことで効果を実感
Q:導入を決めた背景を教えてください。
親会社の協力会社としてGreenfile.workを利用したのがきっかけです。実際に使ってみると課題であった押印自体がなくなることがわかりましたし、クラウド管理によってファイリングの手間が、不備チェック機能によって資格照合の手間が大いに削減できると判明しました。とても素晴らしいサービスだと感じましたし、この便利さを知ったあとでは紙運用には戻れないということで元請としての導入を決定しました。
※八代バイオマス発電所建設工事 現場代理人 前川 一史様
安全書類の作業時間が「1/50」に
Q:導入後の変化を教えてください。
安全書類の作業時間が「1/50」と大幅に削減されました。
まずは書類提出率低下の要因となっていた押印が不要になり書類の回収率が上がったため、差し戻しや再提出催促などの手間が少なくなりました。
また書類の不備チェックと回収についても絶大な効果を発揮しています。今までは膨大な量の紙をめくって整合性や不備を確認していましたが、Greenfile.workはこれを自動で実施し不備があればアラートで教えてくれます。そのため1枚1枚書類を確認する必要がなくなり作業時間を大幅に削減できました。
Q:安全書類業務はどのように分担されていますか?
今の現場では、安全書類の回収や不備チェックを安全グループ2名が専任で担当しています。2名とも私の先輩で63歳と70歳の大ベテランです。Greenfile.workの画面や操作方法もわかりやすいため、紙からの移行もスムーズでした。ベテラン社員の経験や知識を活かしながら、作業効率を上げられるのが非常にいいですね。
Q:協力会社さんの反応はいかがですか?
他の安全書類電子化サービスを利用している協力会社さんもいますが、反発や不平不満は特にありませんね。私からもGreenfile.workは現場の実態に即した扱いやすいサービスだと伝えています。
他のサービスの場合、作業員名簿、再下請負通知書、下請負業者編成表の3つの必要書類がすべて揃っていないと1次請会社から元請への書類提出ができないものもあります。Greenfile.workならそれぞれで管理・提出が可能なので、例えば他の2種がまだ揃っていなくても完成した段階で作業員名簿だけを元請へ提出できます。
プラント工事の場合、大規模な1次請会社の下に、多数の協力会社さんが入る編成なので、それぞれの書類を集めきるのが困難で時間もかかります。完成した書類から順次提出ができる仕組みは現場の実態に即していて運用しやすいので、扱いやすいサービスだと感じます。
※Greenfile.workで書類を確認している様子
入構証の作成で入場前の書類提出率をほぼ100%に
Q:前川様の現場は協力会社さんが490社を超えていますが、書類の回収率がとても高いです。秘訣を教えていただけますか?
今の現場ではGreenfile.workを初めて使う協力会社さんが多かったため、マニュアルや操作動画の共有を早くから実施していましたが、こういったITサービスを初めて使う協力会社さんの心理的抵抗は大きいと考え、提出率を上げるために新たな工夫を加えました。
Greenfile.workに登録した情報から作業員の写真つき入構証を作成し、その入構証がなければ現場に入場できないルールを制定したのです。それにより入場前に必ずGreenfile.workで書類を提出するようになり、書類の回収率をほぼ100%にすることができました。

Q:前川様が考える推進や浸透のポイントを教えてください。
「Greenfile.workをやりましょう」とやみくもにお願いするだけでなく、「一度使えば作業が楽になる」と、協力会社目線のメリットを伝えることが重要ですね。そのうえで、今回の入構証のような強制力のある仕組みを構築することも必要だと考えています。実際の業務フローにうまくGreenfile.workを組み込み、まずはメリットを体感してもらうのが狙いです。電子化への心理的抵抗を乗り越えて一度でも活用すれば、Greenfile.workの利便性を必ず実感してもらえるからです。
Greenfile.workはサポートも含めとても素晴らしいサービスなので、引き続き仕組みの構築についてもサポートの方からアドバイスをいただけるとありがたいです。

ありがとうございました!