お話を聞いた方
今井産業株式会社 東京支店 建築工務本部 東京工務グループ 工務課
W様 (現場所長、安全書類業務も兼任)
K様 (現場担当者、安全書類業務も兼任)
S様 (現場担当者、安全書類業務も兼任)
N様 (管理部門)
ホームページ:https://www.imai-corp.co.jp
この記事の公開日:2023年6月27日
今回の導入事例インタビューは2部構成でお送りします。
まずは現場で安全書類業務を担当されているK様とS様に、現場における導入前の課題と導入後の変化を伺いました。
現場の安全書類担当からみる課題と導入後の変化
Q:安全書類を紙で運用していたときの現場の課題を教えてください。
K様
膨大な量の紙をめくって不足書類や不備がないか確認をすることが非常に大変でした。編成が100社以上の現場では書類ファイルで30冊以上になります。さらに毎日現場に入場する職人さんが異なるため、その分作業内容も多くなり物理的にチェックしきれないこともありました。
また、月に一度の安全パトロール前にまとめてチェックしていたため、安全パトロールの前後は残業が増えたり、書類業務以外のことに手が回らなかったりしていました。
Q:Greenfile.work導入後、安全書類業務はどう変化しましたか?
K様
まず安全書類業務の所要時間に変化がありました。導入前は120分/ 週もかかっていましたが、今では30分 / 週に短縮できました。
短縮できた要因は2つあります。まず「あらかじめ入力したデータを活用し施工体系図を自動作成する機能」により施工体系図を手作業で作成する必要がなくなりました。
次に、以前は電話で実施していた不備内容の説明や不足書類の催促を「不備チェック機能」とメール通知でできるようになり、協力会社さんとのやりとりのスピードが向上しました。これは不備チェック機能により不備の内容が協力会社さんにも確認できるため、電話で伝える必要がなくなったためです。協力会社さんが自分たちで不備に気づけることで、期限切れの保険証が提出される、といったケアレスミスもなくなりました。
S様
Greenfile.workは提出が必要な書類とその進捗、どの書類が不足しているかがひと目でわかるのでチェックがしやすいです。私は紙運用を経験していませんが、今担当している現場では111社の編成の安全書類を120分/ 週程度で処理できています。111社が全て紙の世界だと考えるとぞっとします。
次に、現場所長のW様と管理部門のN様に、安全書類の電子化を検討した背景や管理側の視点での変化、現在の浸透状況とその成功要因について伺いました。
現場所長と管理部門からみる課題と導入後の変化
Q:現場所長からみた導入前の課題を教えてください。
W様
安全書類は基本的に労働災害が発生したあとに労働基準監督署がチェックするものであり、弊社ではそのような事例がなかったため安全書類業務への意識は高くなかったと考えられます。さらにチェックする量も膨大で人手も少ないため目が行き届きにくく、不備が残ってしまうことが課題でした。
Q:管理部門からみた導入前の課題を教えてください。
N様
竣工現場の書類の最終チェックに時間がかかっていました。現場ごとにすべての協力会社さんから書類提出されているかを抜け漏れなく確認する必要があり、1つの現場の安全書類チェックに丸一日かかっていました。また竣工後の安全書類は一定期間の保管運用が必要な為、書庫のスペースもひっ迫していました。
安全書類はデスクワークで最も時間がかかる業務
Q:Greenfile.workの検討を開始した理由を教えてください。
W様
働き方改革にともなう労働時間短縮を目的に、現場で最も時間がかかっていたデスクワーク業務の解消をするためGreenfile.workの検討を開始しました。特に安全書類の優先順位が高いと判断した理由は、安全パトロールの際に提出の遅れや整理状況を指摘されることが多く、全社的に課題だったためです。
Q:導入時に他社サービスとの比較はされましたか?
N様
協力会社さんに浸透しやすく、安全書類の提出率を上げられるサービスであるかどうかを重点的に比較しました。その結果、Greenfile.workは協力会社さんが無料で使えて、書類を提出しやすい仕組みになっていることがわかりました。
他社サービスではひとつでも項目に不備があるとシステム上でストップがかかり提出ができないため、協力会社さんの離脱を引き起こし、安全書類の提出そのものが困難になると感じます。
Greenfile.workでは不備がある状態でも提出できるため、協力会社さんもストレスなく扱えて浸透しやすく、安全書類の提出率を上げられると考えました。不備の内容はアラートで表示され、それを元に指摘できるため是正指示も安心です。
全現場の書類を自席から誰でも閲覧できる
Q:Greenfile.work導入後の現場での変化を教えてください。
W様
紙運用では540分/ 週かかることもありましたが、今は10分/ 週も稼働していません。
Greenfile.work導入後は自動的に表示される不備の内容を協力会社さんに指摘すると完璧な書類が提出されるため、書類のチェックや協力会社さんとのやりとりにかかっていた時間が削減されました。今では書類提出通知メール受信時の内容確認と、協力会社さんとの会議で周知するための不備項目リストアップ作業のみで済むため、非常に効率化されました。
Q:Greenfile.work導入後の管理側の変化を教えてください。
N様
全現場の提出状況が一目瞭然で、自席から誰でも閲覧できるところが便利です。これを活かして月1回の支店会議で各現場の書類提出率を報告する取り組みを開始しました。
各現場に招待した協力会社さんのうち、書類提出が完了している会社の割合を報告しています。提出率が芳しくない現場を即指導するというよりは、他の現場と比較されることがいい刺激になり、安全書類への意識付けを強化することが狙いです。
また、書庫での安全書類の保管スペースも減りました。監査の際も書類を書庫から取り出す必要がなくサービス上で閲覧できるため楽になりました。
全現場でGreenfile.workを活用し書類提出率が100%に
Q:導入から3年経った今の浸透状況を教えてください。
N様
東京支店では全現場でGreenfile.workを活用していて、全ての協力会社さんにGreenfile.workで書類提出をしてもらっています。運用開始時に弊社から協力会社さんに運用開始のお知らせとサポート窓口の連絡先をメールで一斉送信し、実際の運用は現場担当者に対応をお願いしました。
W様
一度でも電子化サービスを活用した経験のある協力会社さんはスムーズに提出してくれました。3割ほどは電子化サービスの経験がなかったことから、現場担当者のフォローやサポート窓口を案内する等、互助努力はもちろんのこと、そこから学びも得ることが出来ました。
Q:電子化に抵抗がある協力会社さんへはどのように対応されましたか?
N様
私たちは元請企業である以上、この運用フローにご賛同頂けない場合は、お取引き自体が難しい旨をご説明し、ご理解頂いた上で実行に移すことが大切だと考えています。今では協力会社さんにも、Greenfile.workを活用して安全書類を提出しなければならないという意識はついてきましたし、書類の提出率も100%になりました。
Q:今後の展望をお聞かせください。
N様
今後は現場ごとの提出スピードの差を埋めていくことが課題です。発注のタイミングでGreenfile.workの施工体制に追加し、協力会社さんは乗込み前か乗込みと同時の書類提出が望ましいと考えています。現場担当者によって差が生まれないようにしていきます。
ありがとうございました!