安全書類を作成していると、作業員の社会保険番号や法人としての事業者番号を求められますよね。
しかしながら、個人と法人の番号の区別がつかなかったり、どの番号を書くべきなのかわからないという方も多いのでは?
そこで今回は法人(会社)と個人(作業員)ごとに社会保険・雇用保険の番号の参照の仕方と書き方を徹底解説します!
目次
法人(会社)に関する番号の書き方
・施工体制台帳
・再下請負通知
の2つの書類では、法人としての社会保険(健康保険+厚生年金)と雇用保険の番号を書くことを求められます。
健康保険
全建統一様式では下記のように書いてあります。
健康保険欄には事業所整理記号および事業所番号(健康保険組合においては組合名)を記載する
なかなか難しい表現ですよね。
下記に加入している健康保険ごとの書き方と参照の仕方をご説明します。
<協会けんぽ(全国健康保険協会)に加入している場合>
協会けんぽは主に中小企業が加入している健康保険です。
元請によって異なりますが、もし加入証明として写しを提出する場合は、「被保険者記号・番号・保険証番号」を全てマスキングする必要があります。
<健康保険組合に加入している場合>
自社が協会けんぽではなく、健康保険組合に加入している場合は、まず組合名を記入します。(上記でいうと「全国土木建築国民健康保険組合」)
元請によって異なりますが、もし加入証明として写しを提出する場合は、「被保険者記号・番号・保険証番号」を全てマスキングする必要があります。
厚生年金保険
全建統一様式の注釈には下記のように書かれています。
厚生年金保険欄には事業所整理記号および事業所番号を記載する
こちらもこれだけでは分かりづらいので、下記で詳しく見ていきましょう。
<事業所整理記号とは?>
事業所整理記号は「数字2ケタ+カタカナまたは英数4ケタ以内」や「漢字+ひらがな」など自治体ごとに異なる形式で表されます。
「協会けんぽ」に加入している場合は、事業所整理記号は健康保険証に記載された「記号」と変換可能です。
たとえば「渋2 いろは」という厚生年金保険の事業所整理記号は、協会けんぽでは「64010203」という数字になります。
これは協会けんぽと年金事務所で事業所整理記号の表記が異なるためです。
詳しくは各県の協会けんぽのHPに変換表がありますので、そちらをご確認ください。
<事業所番号とは?>
事業所ごとに付与された5桁の数字(例:12345)です。
こちらは健康保険とは無関係のため、注意してください。
<どこで確認できる?>
「納入告知書」や「決定通知書」に記載されています。
雇用保険
全建統一様式には
労働保険番号を記入する
と書かれています。ここでは労働保険番号とその参照の仕方についてご説明します。
<労働保険番号とは?>
労災保険と雇用保険の2つをあわせて、労働保険と呼びます。
労働保険に加入すると、事業所ごとに2桁(府県コード)-1桁(所掌)-2桁(管轄)-6桁(基幹番号)-3桁(枝番号)の計14桁の番号が付与されます。これが労働保険番号です。
雇用保険適用事業所番号というものもありますが、これは4-6-1の11桁となり、労働保険番号とは異なるので注意してください。
<どこで確認できる?>
労働保険の概算・確定保険料申告書、労災保険申請書などの書類に記載されています。
書類の紛失などでどうしても分からない方は、管軸の労働基準監督署に電話するという方法もあります。
個人(作業員)に関する番号の書き方
作業員名簿では上記のように作業員ごとに雇用保険の被保険者番号を書く必要があります。
健康保険については、加入証明の方法が元請けによって異なる可能性がありますが、
加入種別と、「被保険者記号・番号・保険証番号」をマスキングした健康保険証の写しが一般的です。
番号を記入するのは雇用保険の欄のみで、健康保険・年金保険の欄の番号は書かなくていい、とされているので注意してください。
ここでいう被保険者番号とは事業所ごとの番号とは全く別物です。下記で詳しく見ていきましょう!
健康保険
写しを提出する場合は、必ず「被保険者記号・番号・保険証番号」をマスキングしましょう。
雇用保険
全建統一様式第5号の作業員名簿には下記のように書かれています。
被保険者番号の下4桁を記入する
雇用保険の被保険者番号とは、11桁(4桁-6桁-1桁)で構成される番号で、労働者1人につき1つ発行されます。
雇用保険被保険者証や離職票等に記載されており、健康保険と違って退職や転職をしても番号が変わることはありません。
上記の従業員であれば、作業員名簿の雇用保険の番号欄に「456-2」のように記入します。
※事業主など雇用保険が「適用除外」なる場合は、番号の記入の必要はありません。
まとめ
それぞれの書類ごとに記入が必要な番号種類が異なります。
施工体制台帳/再下請負通知→「会社」について記入する書類
作業員名簿→「個人」について記入する書類
という風に覚えておくと、間違いが少ないでしょう。