現場で作業をする際、機械は必ず使用しますよね。とても便利ですが、使用方法を間違えるとけがや事故につながることも…。そうなることを未然に防ぐために大切な安全書類(グリーンファイル)が持込機械等(電気工具・電気溶接機等)使用届です。
ここでは最も代表的かつ広く使用されている「全建統一様式第6号」を定型として解説していきます。しかし項目は他の書式であってもほとんど変わらないため、その他安全書類の書式の持込機械(電気工具・電気溶接機等)使用届を作成する方も問題なく参照することができます。
目次
持込機械等(電気工具・電気溶接機等)使用届とは?
持込機械等(電気工具・電気溶接機)とは、作業に必要とする機械の安全性を管理するための書類です。記入項目は、大きく分けて持込機械の概要記入部分と点検表の二つに分かれています。
今回解説するフォーマットである「全建統一様式第6号」は、下の赤枠のように点検表を裏面に記載する指定がありますので、PCで入力される方は印刷をする際に注意しましょう。ここは元請の指定するフォーマットによって変わってくるので、それに従いましょう。
持込機械等(電気工具・電気溶接機等)使用届を作成した後は?
当該機械を持ち込む会社の代表者が現場の所長に届出をし、機械を持ち込むごとに使用届を提出します。
所長は元請に提出後、「持込機械届済証(持込許可証・持込機械受理証など)」を申請した機械の台数枚受け取ります。これを使用する機械の見やすい部分に貼付しましょう。元請けによっては受付番号のみで、ステッカーを発行してくれない場合もあるのでその場合は自分で用意しましょう。
①持込会社名
該当する機械を所有する会社名を記入します。個人所有の機械であっても、所属会社名を記載しましょう。②取扱者
該当する機械を所有する取扱者の名前をフルネームで記入します。③受付年月日
該当する機械の「持込機械届済証」が発行された年月日を記入します。④受付No.
受付済みの持込機械等使用届には、元請から機械ごとに受付番号が記入されています。これを参考にして、該当する機械の受付番号を記入しましょう。⑤使用期間
該当する機械の使用期間を「H◯年◯月◯日まで」という形式で記入します。⑥事業所名
事業所(作業所)の名前を記入します。
この「持込機械届済証」は、現場で使用する機械が安全な状態であることを示す証明となります。機械へ貼り付けるのを忘れた場合や無くした場合は「作業ができない!」ということもありますので、取り扱いには注意しましょう。
持込機械等(電気工具・電気溶接機等)使用届(全建統一様式6号及び別紙)の項目と書き方
欄外部分の項目と書き方
事業所の名称
「事業所」というとピンとこないかもしれませんが、「工事を実施する作業所」もしくは「工事名称」を記入します。
- ◯◯作業所
- ◯◯新築工事
- ◯◯ビル改修工事
のように表記するのが一般的です。
所長名
「所長名」=”元請”の現場代理人を指します。一次の会社ではなく、元請の会社の現場管理人を記入する必要があるため注意が必要です。
一次会社名
一次請負業者の会社名を記入します。
持込会社名
自社名(機械を持ち込む会社名)を記入します。横にある自社が何次請かを記入する欄を忘れやすいので注意が必要です。
代表者名
持込会社の代表者を記入します。現場代理人でもかまいません。
電話
持込会社の電話番号を記入します。
日付記入部分
この書類の作成日を記入します。年は西暦でも問題ありませんが、和暦での記入が一般的です。
欄内部分の項目と書き方
機械名
持ち込む機械名を記入します。ここでいう「機械名」とは、使用する機械の商品名ではなく分類名を指します。もし、「名称が分からない!」といった場合には裏面の点検表の欄外右上に記載されている「機械名」を参考にしましょう!
規格・性能
該当する機械の規格・性能を記入します。基本的にはボルト(V)数とワット(W)数ですが、機械によってその他に特記すべき内容があれば記入しましょう。たとえ同じ機械名でも、大きさや性能というのは機械ごとに違ってくるのでそこを意識するとよいです。
管理番号・受付番号
該当する機械の管理番号を自社で設定し、枠内上部に記入します。下部の欄は元請けが記入するので空欄にしておきましょう。
持込年月日・搬出予定年月日
該当する機械の持込年月日を記入します。年号は略号で入力しましょう。
記入例:平成29年→H29
点検者
該当する機械を点検する人をフルネームで記入します。
点検者は統一する必要はありません。むしろ該当する機械に専門的に詳しい人を選択するべきです。
取扱者
該当する機械を取り扱う人をフルネームで記入します。
取扱者が複数いる場合、全員分の名前を記入しましょう。また、取扱者は点検者と統一する必要はありません。
機械の特性、その他その使用上注意すべき事項
ここでは下図の記入例のように機械の使用について元請に事前に伝えておきたい内容を記入します。
具体的な記入内容としては、元請に事前に用意してもらいたい設備や安全のために事前に共有しておくべき内容を記入しましょう。
持込時の点検表の書き方
番号
一番上の行に記入されている1〜10の番号は、それぞれ表面の欄内に記入した10台の機械を指します。
つまり、欄内1番目に記入した「電動丸ノコ」は点検表の1番目の列に記入していきます。
点検事項
該当する機械を点検する際の必要事項があらかじめここで記入されています。
点検者はこれを参考に、該当する機械の項目を点検します。何も問題がなければ該当箇所にチェックをしていきましょう。
※該当箇所へのチェックマークは元請によって○や×など様々な指定があるので注意しましょう。
点検事項の一つである「絶縁抵抗測定値」に関しては、チェックではなく測定値(MΩ:メグオーム)で記入します。
その他の欄
ここでは事前にフォーマットに記載されていないけれど点検する必要がある点検事項を追加します。
【記入例:コンプレッサーの場合】
・圧力スイッチ
・安全弁
・圧力計
さいごに
持込機械がレンタルだったら記入しなくていいの?
持込機械がレンタルだった場合も持込機械(電気工具・電気溶接機等)に記入する必要があります。
現場によっては普段なかなか使用しない電気工具が必要となってくる場合もあります。そんな時に様々な工具のレンタルができるのは非常に便利ですよね。持込機械(電気工具・電気溶接機等)は現場に持ち込む機械が全て安全であることを示すことが目的なので、レンタルの場合でも自社の機械として記載しましょう。